映画「秒速5センチメートル」の感想・レビュー!

今回レビューするのは、新海誠監督のアニメ映画「秒速5センチメートル」。

プライムビデオでも19年7月1日から配信が開始されました。

個人的にはこれまで公開された7作品の中でも、「最も濃い新海ワールド」を味わうことができる作品だと思っています。

見どころ!

  • 新海作品ならではの美しい映像と音楽
  • 胸をしめつけるようなせつない恋の物語
  • 見終わったあとの大きな余韻

巷ではある種の「破壊力」がすごい作品としても有名です。(;´∀`)

あまり万人向けではないかもしれませんが、それゆえの濃密なストーリーを体験できる作品となっています。

カヌー

精神的にダメージを受ける場合もあるので、観るタイミングには注意しましょう。(わりとガチです)

作品について

製作・キャスト

  • 監督 新海誠
  • 公開 2007年
  • 上映時間 63分
  • 主演 水橋研二(遠野貴樹役)、近藤好美(篠原明里役)、花村怜美(澄田香苗役)
  • 主題歌 「One more time,One more chance」(山崎まさよし)

新海誠監督によるアニメーション映画の3作目にあたる本作。

新海作品がまだそれほど広く世間に認知されていなかったころの作品です。

今でこそ「君の名は。」や「天気の子」の名前も挙がると思いますが、それ以前は新海誠=秒速というくらい強いイメージがありました。

13年という年月を重ねた今なお、根強い人気を誇る作品です。

結構前の作品なんだね。

ワンコ

 

カヌー

そうですね。

でも「実写以上に美しい」と言われる映像美は、今に通じるものがあると思います。

「秒速5センチメートル」あらすじ

あらすじ

「秒速5センチメートルなんだって。桜の落ちるスピード。」

遠野貴樹篠原明里は精神的にどこかよく似ていた。

グラウンドよりは図書室が好きで、大人数で遊ぶよりは2人の方が好き。

そんな子供だった。

自然と一緒にいることが多くなり、互いに欠かすことのできない存在となっていく。

「このまま一緒に大人になっていける」

そう漠然と思っていたが、明里は栃木へ、翌年には貴樹の九州への引っ越しが決まってしまう。

もう会えなくなるかもしれない─。

そう考えた2人は最後にもう一度会う約束をし、貴樹は明里の待つ岩舟へと向かうのだった。

物語は「桜花抄」、「コスモナウト」、「秒速5センチメートル」の3話構成で描かれていきます。

一貫して描かれるのは、主人公である貴樹の物語。

「桜花抄」でのとある出来事が、貴樹の人生に大きな変化をもたらします。

貴樹と明里の小学生から中学生時代を描いた第1話「桜花抄」。

3話構成の1話目にして、物語の核となるお話です。

映画の見どころ!

せつない恋の物語

新海作品特有の色鮮やかで美しい映像を背景に、胸をギュッと締め付けるようなせつない初恋が描かれていきます。

人によってはその破壊力にダメージを負ってしまうこともあるかも…。(・ω・;)

ただ、その濃ゆ~いせつなさこそがこの作品最大の魅力であり、人気のゆえんにもなっています。

爽やかでも甘酸っぱいでもない、ひたすらにせつない恋の物語

ぜひぜひ注目してほしいポイントです。

印象に残る終わり方

映画にとって終わり方(ラストシーン)というのは特に重要な要素と言えるのではないでしょうか。

どんな素晴らしい映画でも、最後がいまいちだと評価や印象は大きく変わってしまうもの。

そういった意味においても、秒速5センチメートルは「名作」と呼ばれるにふさわしい映画と言えそうです。

たくさんの人の心に強烈な印象を残し、賛否両論を巻き起こした終わり方は必見です!

思い出と向き合う

ドラマチックな体験をした2人は、その「思い出」を背負って生きていくことになります。

忘れられずに過去にとらわれてしまうこともあるでしょうし、苦しむこともあるかもしれません。

そうした思い出とどう向き合っていくのか。

この映画の大きなテーマの一つだと思います。

みんなの評価!

アマゾンの評価  3.6(総レビュー数1,302)

高評価意見

  • ジブリとも違う映像美
  • 心に刺さる物語
  • 純度の高い新海節

評価の分かれ目は、「主人公の想いに共感できるか」になってきそうです。

刺さる人にはとことん刺さり、そうでない人にはモヤモヤ感が残る…。

結構人を選ぶ作品かもしれません。

また、男性目線のお話ということもあって、どちらかと言えば男性からの支持が高い傾向もあるように感じました。

低評価意見

  • 終わり方が…
  • 感情移入できない

一方、低評価意見は終わり方に触れる意見が多かったです。

「君の名は。」から入った人には概ね不評という感じも…。笑

最近はあまり見ないタイプの終わり方ですからね~…。(・ω・;)

ただ、この終わり方だからこその心に残る物語だとも思うので、一つの物語として完成されたものであるのは間違いないんじゃないかなと感じています。

ネタバレ感想!

1話のネタバレ感想!(クリックで開閉します)

時代設定は1990年代ということで、携帯電話が今のように普及していない時代。

電車が遅れても今なら簡単に連絡することもできます。

でもそれができないからこそのドラマ性、なのでしょうね。

電車が遅れに遅れたことで、貴樹は明里への気持ちをより強く意識することになります。

その結果、「岩舟での出来事」は貴樹の心に鮮烈な思い出として残ることに…。

ここが物語の大きなポイントになっていると感じました。

その「思い出」とどう向き合っていくか。

秒速5センチメートル全体にも関わるテーマといえるかもしれません。

2話のネタバレ感想!(クリックで開閉します)

貴樹の変化に注目したい第2話。

どこか寂し気でいつも遠くを見ているような目。

夢や想像の中に明里に似た女性も出てきます。

注意したいのは「似た」という点。

小説を読まないとちょっとわかりづらいんですが、明里の幻影を追い続けているわけではなくて。

ただ、もろもろ向き合えているわけでもないので、花苗への接し方もなかなか難しいものになってしまっています。

コスモナウトは花苗の心情が手に取るようにわかる分、観ていてちょっとつらいんですよね…。(´;ω;`)

漫画版では花苗ファン必見の終わり方になっているので、同じようにつらいと感じる人は読んでみるのもありかもです。

3話のネタバレ感想!(クリックで開閉します)

 

表題にもなっている3話構成最後のお話。

仕事を辞め、付き合っていた女性とも別れ、苦しい状況の貴樹が描かれます。

一方の明里は結婚を決め、幸せそうな姿が映し出されるので、わかりやすい対比となって観る側の心を抉ってきます…。笑

映画・小説・漫画と、それぞれ貴樹の心情の描かれ方は違いますが、苦しんでいることに変わりはないです。

ただ、最後の踏切のシーン。

あれは「前を向いて生きていくことを心に決めた顔」なんですよね。

あの岩舟での出来事から貴樹の心に残り続けたもの。

最初は「明里」という存在でしたが、時間とともに「思い出そのもの」が特別なものとなり、そこにとらわれていきました。

コスモナウトではそれがピークだったように思います。

あの思い出に匹敵するようなものを探し続けて、でも見つけることはできなくて…。

踏切で電車が通り過ぎたあと明里はいませんでしたが、貴樹にとってようやく本当の意味で過去と向き合えた瞬間だったのではないでしょうか。

すっきりとしたいい顔で力強く歩きだしていましたよね。(*´ω`*)

一方、ネット上では「明里は逃げた」なんて意見も…。笑

実際小説版を見ると、明里は明里でまだ完全に整理がついている様子でもなかったりして。

まあ新婚なのに昔好きだった人とバッタリ会って仲良くする…というのもちょっと問題がありそうですし、個人的にはあの終わり方でよかったんじゃないかな~とも思っています。

カヌー
いずれにしても、2人にとってこの先も「大切な思い出」であり続けるのは間違いないでしょうね。

小説版「秒速5センチメートル」

小説版では、映画では描ききれなかった登場人物の内面をより深く知ることができます。

この映画を評するときに、「男は名前をつけて保存、女は上書き保存」と言われることも多いですが、実際はそうでもなくて。

明里がどれだけ貴樹を大切に想っていたか(いるか)が詳細に描かれています。

また、映画ではわからなかった「手紙」の全文も読むことができます。

カヌー

手紙の内容を知ると映画に対する印象が大きく変わるので、この作品をもっと好きになるきっかけになってくれると思います。

「秒速5センチメートル」まとめ!

人を選ぶかもしれないけど、その濃い世界観やストーリーは人を惹きつける魅力がある…。

そんな作品だと思います。

僕も惹きつけられた一人で、新海作品の中でも特に大好きな一作となっています。

ただ、最初に観たときの絶望感はすごかったです。(・ω・;)

あの時は何日か引きずったような…。笑

新海監督はこの映画を「誰かを励ませれば」と思って作ったそうですが、「悲しかった」「ショックだった」という意見が多かったことから、補完(フォロー)の意味を込めて小説版を書いたそうです。

とらえ方はそれぞれですが、個人的には小説版があってよかったと思っています。

漫画版ではさらに別の終わり方をしていて、こちらも映画を観て「え~…」となった方にはおすすめです。

媒体ごとにいろいろな解釈があるのも、秒速5センチメートルの魅力の一つなのかもですね。

この映画版の終わり方は、以降の「言の葉の庭」や「君の名は。」につながっている部分もあるので、そちらから新海作品にハマった方にもぜひぜひ観て欲しい作品です。

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