映画「言の葉の庭」の感想・レビュー!

今回レビューするのは、新海誠監督のアニメーション映画「言の葉の庭」。

19年7月1日より、プライムビデオでの配信が開始されています。

「君の名は。(2016年)」では社会現象にもなった新海作品。

その一つ前、2013年に公開されたとても静かで美しい映画です。

見どころ!

  • 」にスポットをあてた静かな物語
  • 幅広い層に感情移入できるポイントがある
  • これまでとは違ったラストシーン
カヌー

46分という短めのお話ですが、凝縮された新海ワールドにどっぷり浸りながら観れる作品となっています。

作品について

製作・キャスト

  • 監督 新海誠
  • 公開 2013年
  • 上映時間 46分
  • 主演 入野自由(秋月孝雄役)、花澤香菜(雪野百香里役)
  • 主題歌 「rain」(秦基博)

新海誠監督によるアニメーション映画の5作目にあたる本作。

2013年に公開されて以来、幅広い層に支持されて人気作になっていきました。

これまでの作品と違い、女性にも見やすい作品として話題になったりも。

前作までの「どちらかといえば男性向け」というイメージを覆す作品となりました。

また、言の葉の庭では「雨」がキーワードとして描かれ、新海監督も雨を「3人目のキャラクター」と位置付けるなど、物語において重要な役割を果たす存在になっています。

構成全体の8割にも及ぶ雨の美しい描写は必見です。

あらすじ

あらすじ

「また会うかもね。もしかしたら。雨が降ったら。」

ある梅雨の朝、靴職人を目指す高校生の孝雄は、いつものように国定公園の東屋へと向かっていた。

子供のころは近かったのに、今ではすっかり遠くなってしまった空。

そんな空のにおいを連れてくる雨が好きで、こんな日は学校なんかさぼって公園で靴のデザインをすると決めていた。

雨に浮かれながら東屋につくと、その日はめずらしく先客の姿が。

朝からチョコレートをつまみに缶ビールを飲む先客・雪野に驚きながらも、どこか彼女が気になってしまう孝雄。

ぎこちない会話の後、雪野がつぶやく。

「また会うかもね。もしかしたら。雨が降ったら。」

それから2人は雨の日の午前中にだけ会い、少しずつ距離を縮めていく。

いつしか孝雄は寝る前、そして起きたとき、雨を期待している自分に気づく。

互いの素性もわからない2人をつなぐのはだけ。

不思議な関係が続く中、じきに梅雨が明けようとしていた。

映画の見どころ!

雨と共に描かれる静かな恋愛模様

全体を通して雨のように静かで、落ち着いた雰囲気の映画です。

でもその雰囲気が妙に心地いいというか。

雨の音や街の音、そして2人の会話。

映画を構成する一つ一つの音が、この静かで美しいお話により深く引きこませてくれます。

カヌー

観る際はイヤホンでそうした音を感じながら視聴すると、一味違った映画体験になるかもです。

幅広い層に共感される物語

大人になりたい少年と大人になりきれない等身大の女性を描く本作。

基本的に若い人は孝雄に、大人世代の方は雪野に共感しながら物語を楽しめるのではと思います。

ただ、大人の方も「かつて通った道」として孝雄に感情移入しながら観れたりと、幅広い層に共感ができるポイントがある映画となっています。

これまでと違うラストシーン

「秒速5センチメートル」ではたくさんの人の心に大きな余韻、というかショックを残した新海作品。

僕もかなりダメージを負いました…。笑

今回は、これまでとは少し違ったラストシーンとなっています。

一貫して雨にスポットをあてたこの作品の、「雨上がりの晴れ」を感じさせるような清々しい終わり方にぜひぜひ注目してみてください。

みんなの評価!

アマゾンの評価  4.1(総レビュー数1,522)

高評価意見

  • 現実を超えた映像美
  • 感情の機微が繊細かつ詩的に描かれている
  • ラストシーン

低評価の意見も含めて圧倒的に多かったのが映像に関するコメント。

とにかくその美しさに驚く声が多かったです。

カヌー

背景はもちろんですが、「水」へのこだわりもすごかったです…!

また、万葉集を絡めて詩的に描かれる2人の心理描写についても、肯定的に触れられていました。

低評価意見

  • 孝雄の15歳設定に違和感
  • ストーリーの描写不足

低評価は大人びた孝雄の精神年齢に触れる意見や、2人の関係性の描写不足について触れる意見がいくつかありました。

このあたりは小説版で補足されている部分もあるので、意見としてはちょっぴりわかる部分もあったり。

それと、新海作品特有の感覚的な表現に共感できるか、あるいは馴染めるかどうか。

そのあたりも評価を分ける要因の一つになっているのかなと感じています。

小説版「言の葉の庭」について

小説版では新たに4つの視点が加わります。

  • 孝雄の兄・翔太
  • 孝雄の母・怜美
  • 雪野の元恋人・伊藤先生
  • 雪野との間に問題を抱える相澤祥子

この4人の視点から描かれることで、孝雄と雪野の心情をより深く知ることができるという構成になっています。

映画版では多くの人にマイナスイメージを持たれることになった相澤祥子の内面や、そうなってしまった原因についてもくわしく描かれています。

この小説版は映画の補足的な側面が強いので、映画を観てハマった!という方におすすめしたい一冊です。

ネタバレ感想!

ネタバレ感想!(クリックで開閉します)

 

靴職人を目指す孝雄と、学校でのトラブルがきっかけでうまく歩くことができなくなってしまった雪野の物語。

孝雄が学校をさぼる雨の日にだけ2人は会い続け、互いに少しずつ惹かれていきます。

「雨の日だけ」っていうのがまたロマンチックですよね~。(*´ω`*)

雪野と出会ったことで孝雄は自分がまだまだ子供だと感じ、バイトや靴作りに励むことで少しでも追いつきたいと頑張ります。

一方で雪野は、今の27歳の自分と15歳のころの自分を比べて、少しも変われていないのではないかと苦悩します。

二十歳とかでもそうですが、実際にその年齢になってみると、自分がイメージしていた将来像とのギャップを感じることってありますよね。

15歳の孝雄にとって27歳の雪野はとても大人に見えると思いますが、現実はそうでもないという部分に、観ていて共感を覚える人も多いのではないでしょうか。

最後のクライマックスでの場面。

雪野は教師として、また大人として一度は孝雄と距離を置くことを選びますが、その直後気持ちを抑えられなくなって追いかけてしまうというシーン。

あのシーンはそうした「等身大の27歳」を描いた名シーンではないかと感じています。

個人的にも何度観てもグッとくる、大好きなシーンです。

映画「言の葉の庭」まとめ!

46分という短いお話ですが、濃密な物語を堪能できる映画となっています。

後味もすっきりとした作品なので、「新海作品ってどれから観たらいいの?」と迷っている方には最初におすすめしたい作品です。

これまでの全作品の中でも、最も見やすい映画じゃないかなと思います。

僕個人としても、秒速5センチメートルと並んで大大大好きな作品です。(*´ω`*)

都会の喧騒から隔絶された東屋で進んでいく、2人だけの閉じた世界の恋物語。

せわしない現実にちょっぴり疲れたな~と感じている人は、この短くも美しい映画に癒されてみてはいかがでしょうか。

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